ジュエリーと自己肯定感(初めてジュエリーを買った時のお話)

巷では自己肯定感が流行りだ。私も30年以上生きてきているのに自己肯定感低くない…?すぐ落ち込むし、自分に自信ないし、他人にいいように利用されがち、人生に躓きがち…なぜ?こんな自分を変えたい!と心理学本を読み漁っていた一人だ。(加藤諦造先生の本がおすすめです)

しかし、読んでも読んでも内省は深まるが、自分は被害者ぶってはいるがエゴが強いなんて嫌な奴なんだと落ち込む負のループにはまってしまった。

そんな中、たまたま子供の図鑑で宝石に興味を持ち、図書館でさくらももこ先生の著書「ももこの宝石物語」「宝石図鑑」を読み、パライバトルマリンに興味を持った。昔、訪れた沖縄の離島「与論島」の海の色にそっくりだったからだ。ルースもいいが、できれば、ふとした時に元気づけられるように、普段身に着けられる指輪が欲しいなと思った。

そこから鬼のようにインターネットに向き合った。ツイッター、メルカリ、ネット上の業者など探しまくって、石は小さいが色が美しく、ダイヤのエタニティが周囲に配置されている美しいデザインの指輪を見つけた。確か6万円台だったと思う。私にとって、そのような高額な買い物をすることはめったにない(当時が懐かしい……)が、思い切って買ってみた。

包みを開けて、指にはめてみて、はぁ~っとため息が出た。

「ショーシャンク」の空にという作品をご存じだろうか。主人公のアンディーは自分の妻とその恋人を殺したという無罪の罪を着せられ、刑務所に投獄されてしまう。冒頭シーンに、調達屋のレッドから手に入れた、鉱物採集用のハンマーを使い、アンディが刑務所内で拾った石英で小さな彫刻を作るというシーンがある。レッドはアンディの作った美しい彫刻をみて心を打たれ、ほのぼのとした良い気分になる。私は、そのシーンが好きだ。

どんな苦しい時にも美しいものは人を救う。そのパライバトルマリンは、南国の海を見た時のように、あるいは、北国で巨大な滝を見た時のように、私の心をすがすがさで満たしていった。

また、その時感じたのは「自分は美しいものを身に着けても良い」という衝撃的な気づきだ。実は30代も半ばまで、おしゃれも最低限しかしてこなかった。本当はおしゃれをしたいという気持ちがあったのだが、幼少期や思春期に家族や学校の友人に容姿をからかわれたり、なにより親から「(あなたは)おしゃれしても無駄」と言われた時のことがトラウマになっており、おしゃれをしようとすると心理的抵抗が生じ、あえて少しダサくしてしまう、などの不条理な行動をとっていたのだった。

しかし、この美しいパライバトルマリンのリングを身に着けると、「これでいいんだ、美しいものを美しいと思って、身に着けていいんだ」と体の中からふつふつと喜びが沸き上がってきた。

自分を美しいもので飾ることに許可を出すこと。それが自己肯定感の始まりなのではないかなと思った。

追伸:このリングをつけて子連れ旅行をしていると、旅先で小学生に「この指輪かわいくてかっこいい~!」とべた褒めされてうれしかったです。

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